長崎ぶらりぶらり
     suc4-c02 2006/6/7


6月7日(水曜日)晴れ。

予定では雲仙温泉でのんびりと湯に浸かって過ご
そうと思っていた。
雲仙温泉に到着したが、さびれ果てた様子にその
気はすっかりさめてしまった。

小浜温泉まで下ったが、そこもさびれた温泉地に
は変わりなかった。

それなら長崎市内と思い、長崎市までひた走りと
なる。

長崎市内着は4時過ぎだったと思う。早速駅近く
のホテルに飛び込みチェックインして市内散策へ
出かける。

行動は定番の路面電車。
先ずは、あの有名な眼鏡橋を見たくて石橋の方向
へ走るであろうと勝手に思って電車に乗った。

後で知ったのだが、電車の路線は4つあり、それ
ぞれが赤・緑・青・黄色に色分けされている。も
ちろん電車の色ではなくて行き先の表示プレート
の色である。

早速乗った電車は青色の正覚寺下行き。目的は眼
鏡橋だったが、思案橋でおりて観光通りからアー
ケード商店街を通って歩いていたら目的の眼鏡橋
に偶然たどり着いた。

写真で見た石のブロックを白いコンクリートでつ
ないだ美しい造形のアーチ橋だった。
橋の下につくられた遊歩道まで下りて下からも美
しい造形を眺めた。

デザインとは不思議なもので、時間の経過に関係
なく輝き続けている。

今日は平日だが結構な人数の観光客が見受けられ
る。

ホテル方向へと思い乗った電車は緑色。アッとい
う間に終点の蛍茶屋に到着した。

ここではじめて路面電車の路線と色の関係を知っ
た。
長崎駅の方向へ戻るには赤色の路線に乗ればよい
と分かり赤い電車を待つ。

赤い電車がやってきた。早速乗り込んで最高のビ
ュー席を確保した。
少々恥ずかしいが子どもが真っ先に陣取る席だろ
う。
やがて電車は走りはじめた。

ここでも途中下車。長崎駅のひとつ先で下り山の
手の急斜面にある住宅地を歩こうと思った。
家と家の間を上る狭いコンクリートの階段へ入り
込む。
まるでその先に道が続くのかと思える狭く曲がり
くねって民家の軒と軒がふれ合うその下の空間に
付けられた瀬戸道。
その先に何があるのか期待が膨らむ。

ハアハアと息を切らしながら一歩ずつ階段を上る。
ふと、日頃の運動不足と長崎の人たちの健脚に感
心する。
老若男女を問わず皆この階段を上り下りしている。
そう思いながら上っていくと上の自動車通りに出
た。

道路もコンクリートの柱に支えられて螺旋のよう
に急斜面に張り付いて上へと続いていく。
時折テラスのように張り出した駐車場があり、そ
こからの眺めを楽しむ。

ガードフェンスに掴まって身を乗り出すと眼下に
は家々の屋根が連なって面白い造形がある。
この風景は長崎でしか見ることの出来ないものだ
ろう。
その向こうには路面電車が走る広い道路があって
稲佐山が逆光に美しいシルエットをみせていた。

そんな景色を楽しみながら坂の町を散策した。

坂やそこから見える風景や狭い路地や突然に現れ
る教会に異国情緒を感じた。